
宿敵 ボーイング社のていたらくでほくほく顔の エアバス 。
と思ったら、額から脂汗を垂れ流してる。
挙句の果てに業績の下方修正 & 効率化プログラムの実施を宣言。
飛行機が落ちたワケでもないのに株価は
“Auf Wiedersehen!”
と急降下。
一体、何がまずかったのだろう。
この記事の目次
金の亡者 ボーイング社
お金儲けの為、必要不可欠なパイロット訓練を省略したボーイング社。
これが原因で旅客機が2機も墜落したのに、
「飛行機は悪くない。パイロットのせい。」
と責任をつっぱねた。
人間は何処まで
「悪」
になれるのか、そのいい標本であった。
https://pfad.tech/blog/boeing-vs-airbus/
社長は責任を取らなかったが、株価下落の責任を取らされて辞職。
新社長はボーイング社の責任を認めたが、
遺族にとって死んだ家族が戻ってくるわけではない。
ボーイング社の悪事ばれる!
航空業界では
「飛行機の製造過程を記録したプロトコル」
を制作・保管することが義務。
米国議会での証人喚問で、ボーイング社はこのプロトコル提出を求められたが拒否した。
後からわかったことだが、プロトコルを制作していなかったのだ。
なんという会社だろう。
“Federal Aviation Administration”(連邦航空局)
は、直ちにボーイング社に安全措置を施する事を命令。
加えて全該当機種の総点検を命じた。
お陰でボーイング社は飛行機の製造が大幅に遅延。
客に届ける航空機は減る一方で、もっと大事な航空機の注文も減る一方だ。
エアバスの憂鬱 航空機納期数を下方修正
航空機業界はエアバスとボーイングの寡占状態。
中国のComacが大型航空機の生産に乗り出しているが、
https://pfad.tech/blog/premium-aertec/
エアバスやボーイングのライバルになるのはまだまだ先。
ボーイングが自業自得でコケている今、エアバス社は
「さぞ、ほくほく顔だろう。」
と思いますよね。
ところが正反対。
「ボーイングのせいで注文が増えた!」
と不満たらたらで、額から油汗を垂れ流している。
エアバスは2024年、
「800機の航空機を客に届ける。」
との目標を掲げていたが、これを770機に下方修正した。
加えて
「毎月、A320を75機生産する。」
との目標は2024年から2027年に先延ばし。
さらに!
宇宙事業の9億ユーロの赤字を計上すると発表。
社長は株主をなだめるために、
「効率化プログラムを実施する。」
と言ったが、効き目無し。
以来、株価は年初来安値を更新し続けている。

エアバス 何がまずかった?

この千載一遇のチャンスに、エアバスは一体、何をしているのだろう?
一番大きな問題はエアバスの大ヒット商品A320 Neoのエンジン。
空気の圧縮に使う
「サメのフィレ」
のような部品に亀裂が入り、ルフトハンザは航空機の運航中止。
製造元のPratt & WhitneyとMTUは
「修理は2026年までかかりそう。」
と言う始末。
A320Neoを買ったルフトハンザは、
「旅客機と需要があるのに飛ばせない!」
と、今年二度目の業績下方修正を迫れた。
言わずもがな、株価はコロナ禍の最安値まで下落。
言い換えるとエアバスはの旅客機は墜落こそしていないが、エアバスの状況はボーイングとほぼ同じ。
両者ともに航空機は離陸できずに、グラウンデイング。
航空機を生産しても、エンジンがないと納入できないから製造ストップ。
なんという間抜けだろう。
皆まで言えば、A320Neoのエンジン問題は、もう10年前から存在していた。
なのに未だに解決策を出してない。
”Gewinnwarnung kommt selten allein.”(業績下方修正が一回だけで済むことは稀。)
というから、
「エアバス株が安い!」
と食指を伸ばすのはご注意あれ。


