ドイツの達人になる 規則、法律

【ドイツ洗車事情】 路上洗車は厳禁なり

投稿日:2014年3月14日 更新日:

【ドイツ洗車事情】 路上洗車は厳禁なり
今回のテーマは車の路上洗車です

というのも、

「どうしてドイツでは、誰も路上で車を洗っていないのでしょう。」

と、早く愛車を洗いたくてウズウズしている日本人からお尋ねいただいたんです。

流石、駐在員。

「誰もしていないことは、しないほうがいい。」

 

というのは、何処の国でも通用する初心者の心構です。

【ドイツ洗車事情】 路上洗車は厳禁なり

今回は回答から始めます。

ドイツで誰も路上洗車をしていないのは、法律で禁止されてるからです。

 

質問
法的根拠は?

 

”Wasserhaushaltsgesetz” (水質管理法)

にて、このように

” Eine Erlaubnis für das Einbringen und Einleiten von Stoffen in das Grundwasser darf nur erteilt werden, wenn eine nachteilige Veränderung der Wasserbeschaffenheit nicht zu besorgen ist. [Es] kann auch festgelegt werden, unter welchen Voraussetzungen die[se] Anforderung […], insbesondere im Hinblick auf die Begrenzung des Eintrags von Schadstoffen, als erfüllt gilt. Die Verordnung bedarf der Zustimmung des Bundestages. […]”

と書かれているからです。

 

質問
読めません!

 

意訳すると、

「地下水に物質を加えるのは、国会にて許可が必要。」

と書かれています。

すなわち!

路上洗車して地下水に

「汚れた水」

を加えると、明らかな法律違反になります。

質問
家の庭ならいいの?

 

ダメです。

マイホームで洗車したいなら、

  1. 国会で許可を取る
  2. 汚水処理装置を取り付けて、市から認可を受ける

のどいちらかしかありません。

路上洗車 罰金

これを知らないで路上洗車、あるいはマイホームで車を洗っていると、

「目玉が飛び出るような罰金」

を科される危険性がある。

ここに罰金額が書かれているが、

 

軽微な違反であれば、4000円で済みます。

でも下手をすると数百万円の罰金です。

もっとも通常であれば、

「路上洗車だけ」

なら

「軽微な違反」

で済みます。

罰金が高額になる理由

罰金がべらぼうに高くなるのは、路上、あるいはマイホームでオイル交換なんぞやってしまう場合。

質問
なんで?

 

オイル交換すると量の違いこそあれ、オイルが路上に漏れます。

するとオイルが地下水に流れ込み、飲み水として利用できなくなる。

これを防ぐため、オイルが地面に流れ込んでいると、

  1. 地面を掘って汚染された土を除去して
  2. オイルが地下水に流れ込むのを防ぎ
  3. 汚染された土を洗浄する

の処置が必要だからです。

この費用が数万ユーロもかかるわけです。

例えオイル交換をしなくても、車の裏はグリスやエンジンオイルなどがびっしりつている。

そんな車を路上洗車すると、オイルが路上に落ちるのは避けられない。

すると役人がやってきて現場検証が始まる。

質問
なんでバレるの?

 

ご近所さんが警察(正確にはOrdnungsamt)に通報するからです。

そこで

  • 濡れた跡
  • キラキラ光るオイル跡

が見つかったら、証拠写真を取られて書類送検されてしまう。

数週間後、目が点になるかなり高額の罰金をいただく事になる。

路上洗車 trocken Waschen

その一方で路上でワックスをふき取るのは

“trocken Waschen”(乾燥洗車)

と言い問題ない。

中にはそれでも、

「Ordnungsamtに通報するぞ。」

と怒って文句をつけてくるドイツ人が居る。

外国人を見ると、

「法律を破っている!」

と思い込み、喧嘩をふっかけてくるもうろくしたドイツ人のおじいさん達だ。

そんなときは

「これは”trocken Waschen”なので合法です。」

と教えてあげよう。

ドイツ洗車事情 – 自動車洗浄施設

自動車洗浄施設

この為、ドイツで車を洗うには、

“Autowaschanlage”(自動車洗浄施設)

と呼ばれる巨大な洗車場に行くのが一般的だ。

日本のような小さな自動車洗車機ではなく、20mもある巨大な洗浄施設。

この為、もはや

「洗浄機」

とは呼ばす、

“Anlage”(施設)

と呼ぶ。

デユッセルドルフのNRW州では

“Mr.Wash”

が一番有名。

ガソリンスタンドにあるようなプラスチックのブラシではなく、布を使って汚れを落としてくれるので、塗装にやさしい。

私も良く

“Mörsenbroich”

にある洗車施設に行ってました。

参照 : Mr.Wash

 

ドイツ人は週末に車を洗る習慣があり、週末に行くと大渋滞してます。

平日に行ってください。

費用

肝心の費用だが、20年前はたったの2ユーロ。

今では一番安いメニューで12ユーロ。

高くなったね~。

高価な

「ワックスメニュー」

などもあるが、濡れた車にワックスをかけても意味がない。

一番安いメニューで十分です。

車の底洗い

ただし!

冬場になって雪が積もり始めると、ドイツの道路には塩が撒かれる。

正確には

“Tausalz”(溶解塩)

といいます。

簡単に言えば、食用にならない塩。

これは車の錆びの原因になるので、雪道を走行したら車の洗車に行き、

Bodenwaesche”(車の底洗い。)

メニューを選ぼう。

費用は17ユーロ。

高い!

利用方法

洗車場の入り口に集金のお兄さんがいるので、希望のメニューを言ってお金を払う。

すると、バーコードの印刷された紙切れをダッシュボードに置いてくれる。

後でメニュー係りのお兄さんが、スキャンしてくれるので、洗車が始まるまでそこに置いておこう。

日本の洗車場では車は動かず、洗車機が動くがドイツは逆。

お兄さんの誘導でハンドルを操作して車(タイヤ)をレールに乗せると、

「はい、エンジン切って。」

という手草をしてくれるので、ギヤをニュートラルに入れてエンジンを切ろう。

すると車が前に動きながら車が洗われていく。何度体験しても飽きない。

シャンプーが終わると、ものすごい風圧で水しぶきが飛ばされる。

これも終了したら出口のランプが点滅するので、(あせらないでゆっくりと)エンジンをかけて洗車場から出る。

洗車後のお手入れ

洗車場には掃除機が備えられおり、ここで車に掃除機をかけることができる。

が、まずは洗車が終わるとこの掃除機スペースに入って、車をチェックしよう。

日本の洗車場とは違い、ドイツ製の素晴らしい洗車機の洗車具合に歓心する。

ソフト(人間)では日本には及ばないが、機械を作らせたら日本人はドイツ人には適わない。

発想が違います。

是非、日本にもドイツのような洗車場が欲しい。

尚、洗車には水道水を使っているので、そのまま放っておくとドイツの水道に大量に含まれているカルキの白い後がしっかり残る。

社用車ならどうでもいいが、ドアを全部開けてして隙間に貯まっている水を落として、屋根やボデイーにわずかに残っている水滴をふき取ってやろう。

ついでにボンネットを開けて、ボンネットの横に詰まっている落ち葉なども取り除いてやろう。

ここは排水溝なので、ここに枯葉が貯まるのはよろしくない。

ついでに車の間距離を測る箇所をフキフキ。

高速を走って潰れた虫などがついていたら、キレイに取り除いてたろう。

ここが汚れていると、エラーの原因になる。

編集後記

数年前から車の塗装に微妙な傷が付いているのが気になっていた。

長らく、

「駐車場のお隣さんが注意せずに、ひっかけた?」

と疑っていた。

が、原因は洗車機にあると気づいた。

ドイツのテレビ局が車の上に塗装したばかりの板を貼り、洗浄機で車と一緒に洗ってみた。

するとその板は一面が引っかき傷で覆われていた。

この傷の原因は車の汚れの泥。

 

これが車を洗車する布に付着、塗装を傷つけることがわかった。

しかし洗車場は決してそのような事故を認めない。

裁判をしても、勝てる確立は低い。

そこで愛車を洗うなら、

“SB-Anlagen”(自分で洗える洗車場)

に行って、洗うことをお勧めします。

強力な放水装置があり、意外に簡単に洗えます。

費用も半分で済みます。

-ドイツの達人になる, 規則、法律

執筆者:

nishi

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